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地方公共団体・自治体におけるASP・SaaSの活用について
総務省は、電子自治体の普及促進のため「地方公共団体ASP・SaaS活用推進会議」を設置し、地方公共団体がASP・SaaSを活用する際の具体的課題や実効性のある取組方策等について広く検討を進めてきました。
ASP・SaaS、クラウド型で提供される民間サービスを活用することで、
・開発期間、導入期間の短縮
・運用に係る負担の軽減
・サービスを外注することによる支払平準化
・データセンターの利用によるセキュリティの向上
などが見込まれています。
地方公共団体、地方自治体において『予約システム』は主に運動場や体育館といった「公共施設予約」で導入されるケースが多いですが、最近では、さまざまな住民サービスでも活用が進んでいます。
今回は東京都世田谷区と、八王子市の事例を参考に、自治体業務におけるASP・SaaS、クラウド型サービスの活用事例をご紹介します。
世田谷区 世田谷保健所『妊娠期面接』の予約
世田谷区が取り組む「世田谷版ネウボラ(妊娠期からの切れ目のない子育て支援)」では、総合支所に配置する「ネウボラ・チーム」が、妊娠中のすべての方を対象に、妊娠中や出産後の心配事や支援に関する面接(妊娠期面接)を行いますが、その面接予約でインターネット予約サービスを提供しています。
出典:https://setagayaneuvola.jp/mensetu/
ASP・クラウド型のサービスを利用することで、
初期開発費や運用費の圧縮といったコストパフォーマンス
だけでなく、
常に最新の機能やセキュリティに対応したアプリケーションを利用できる
といった点で、大きなメリットを得られています。
八王子市教育委員会『八王子市施設予約』
八王子市では、従来オンプレミス型の施設予約システムを導入、運用していましたが、老朽化に伴うシステムリプレースを機に、ASP・SaaS型のサービスに乗り換えました。
出典:https://shisetsu.city.hachioji.tokyo.jp/
八王子市では『セミオーダーメイド型』と言われるタイプで導入がおこなわれています。
これは、利用者から提示された仕様に応じて、ASP・SaaS事業者が所有する既製のソフトウェアに一定程度のカスタマイズを行った上でサービスを提供するもので、既製のソフトウェアをカスタマイズせずにサービスを提供する『レディメイド型』と比較して、ある程度複雑な業務、運用への対応を可能にします。
まとめ
地方公共団体、地方自治体のASP・SaaS、クラウドサービス利用における課題や留意事項、導入プロセスにおける注意点などをまとめた文章が公開されています。
SLAの要求水準や契約にあたっての注意事項、契約書サンプルなどの情報も充実しており、予約システムに限らずASP・SaaS、クラウド型のサービス利用検討時には、非常に参考になる文章となっています。
総務省「地方公共団体ASP・SaaS活用推進会議」サイトより引用
引用:http://www.soumu.go.jp/denshijiti/asp_saas.html